誰もが、ほっとする「自分らしく、いつもの自分に戻れる場所」がある空間にしたい・・・
!!あんなこと こんなこと やりました!
イタリアン食堂「良‘S」は、あなたが「自分らしく、いつもの自分に戻れる場所」を提供したいという想いからオープンしました。美味しい料理、心地よい空間、そして大切な仲間とともに過ごす特別な時間を、全力で応援したいと考えています。
オープン前夜の思い出
オープン前日は、家族総出で夜遅くまで準備に追われました。特に、デザート担当の娘・陽子も最後まで一生懸命頑張ってくれました。
未完成だったアプローチは、当初「もう間に合わない」と諦めかけていたのですが、息子が「これではオープンできない!」と真剣に怒り出したことが大きな転機でした。
その言葉に奮起し、私も力を振り絞って突貫工事に取り組み、ついにアプローチを完成させました。完璧ではなかったものの、無事に翌日のオープンに間に合ったことは、大きな達成感でした。
2010年12月1日オープン当日
「良‘S」は特別な空間を目指して
「良‘s」は、単なる飲食店ではなく、いつまでも暮らしたいような温かな生活空間を目指して作りました。そんな想を実現してくれたのが、30年来の友人であり、建築にこだわりを持つスパナビルダーの曽我さんです。
曽我さんは自然を大切にし、住む人と環境に配慮したものづくりをする職人で、工事が進んでいても妥協せず、何度も私にアドバイスをくれました。
例えば、休憩中に家作りの話をしている中で、「空間にアクセントが欲しいね!」という話から、工場に転がっていた丸太を天井の梁に使うことが決まりました。
その結果、木目を活かすために私がグラインダーをかけることになったのです
「カウンターには一枚板の欅を使用しています。
この欅は、バーナーで焦がし、その後、布で丁寧に磨き上げることで、独特の艶が生まれ、見た目にもなんとも言えない風合いのカウンターに仕上がりました」焦がし加工によって木目がより鮮やかに高まり、自然素材を持つ力強さと温かみが感じられる仕上がりです。
この一枚板のカウンターはお客様とスタッフの間にある特別な空間を大切に、店内全体の雰囲気を引き締めるような役割を行っています
細部に込めたこだわり
店内の漆喰の壁は、人が長時間過ごしても疲れないよう、ほっこりとした雰囲気を大切にしています。
部屋の角は柔らかな丸みを持たせ、壁にはゆるやかなウェーブをつけるため、木を差し込んで膨らみを表現しています。この膨らみは、照明によって柔らかな陰影を生み出し、空間に心地よい変化をもたらしています。
「はめ込み式の窓枠は、木材を組み合わせて作られており、幅や高さを自由に調整できる設計になっています。この窓枠は、装飾性だけでなく実用性も兼ね備えており、棚として小物を置いたり、空間にアクセントを加えたりすることができます。
さらに、自然素材である木の温もりが空間全体に心地よさを与え、光が差し込むことで季節や時間帯によって異なる表情を楽しむことができるのも特徴です。デザインだけでなく、掃除のしやすさやメンテナンス性も考慮されており、長く愛用できるよう工夫されています。」
置物や飾り棚は最小限に抑えています。見た目だけでなく、実用性も考慮したデザインです。
お店作りには、多くの方々の協力があり、まだまだ手作りで仕上げた部分がたくさんあります。
そして、このお店とともに歩んできた時間の中で、訪れるお客様の姿や思い出も積み重なってきました。
オープン当初から足を運んでくださる方々がいて、お一人でご来店されていたお客様が、いつしかお二人で来店されるようになり、やがてご家族が増えていく——そんな温かな変化を、私たちはこの14年間ずっと見守ってきました。
しばらくぶりに再会した時、かつてお一人でいらしていたお客様が妊婦さんになっておられ、さらに時が経ち、元気な赤ちゃんと一緒にご来店くださった瞬間の喜びは今でも忘れられません。あの頃赤ちゃんだったお子様も、今ではしっかりとお話できるまでに成長されています。
また、長年お付き合いのあるご家族も多くいらっしゃいます。特に印象に残っているのが、男の子3人の5人家族。当時、末っ子のお子様はまだ幼稚園で、食事の途中にお母さんのそばで寝てしまうこともありました。お帰りの際、「利用ありがとうございます」とお伝えすると、お母さんが「長男がしっかりしてて、家のお手伝いもしてくれるんですよ」と微笑ましく話されていたことが心に残っています。
今ではそのご家族の息子さんたちも成長し、家を離れて学生生活を送っているとのこと。お子様が休暇で帰省されるたびにお店に足を運んでくださり、その成長を見守るたびに、私たちも一緒に時の流れを感じ、温かい気持ちになります。
また、学生時代に通っていたお客様が、社会人となり、同僚と一緒に訪れるようになることも増えてきました。
さて、これから、どんな新たな出会いがあるでしょう。そして、どんな素敵なお付き合いが始まるのでしょうか。
こうして家族の成長とともに築かれたお客様とのつながりは、私たちのお店にとってかけがえのないものです。皆様との絆を大切に、これからも温かい場所であり続けたいと願っています。