厨房の中にいると、お客様の顔や表情を見ることはできません。運ばれる一皿一皿がどんなふうに迎えられ、どんな時間を彩るのかも知る由はありませんが、それでも、お店の中には、それぞれのテーブルごとに小さな物語が生まれていることを感じますね!
親しい友人たちが久しぶりに集まり、思い出話に花を咲かせるテーブル。仕事帰りに一人で立ち寄り、静かな時間を楽しむテーブル。記念日を祝うカップルが少し特別な気持ちで過ごすテーブル。そして、家族が笑顔で料理を分け合い、温かい時間をつなぐテーブル。
どのテーブルにも、その時だけの物語があるようです。その物語は、言葉や表情、視線や静かな時を通じてつながれていて、お店にいる全ての人が、自分たちだけの特別な時間を作り上げています。
作り手として、私たちはその物語を直接見ることはありませんが、テーブルに運ばれる一皿の料理が、その物語の一部として寄り添い、思い出の中に少しでも残るものであってほしいと思っています
「おいしいね」「また来ようか」
そんな何気ない会話のひとつに、私たちの思いが溶け込んでいるかもしれない。それが、料理を作る者としての幸せであり、お店がある理由なのかもしれません
見えないけれど確かにそこにある物語。それが、お店という空間の中で繰り返し生まれているのかな!
そのお手伝いができれば本当にうれしいですね